2014年の初演以来、ヨーロッパ各地で好評を博しているバレエ『 トリスタンとイゾルデ』が、ついに日本上演を果たします。パリ・オペラ座で名実ともにトップ・エトワールに君臨するドロテ・ジルベールとマチュー・ガニオを主役に、ベジャール・バレエ団出身でイタリアを中心に活躍する鬼才ジョルジオ・マンチーニが振付けた話題作です。ワーグナーの同名オペラの曲に乗せ、3 つのパ・ド・ドゥで踊られる愛の悲劇。気鋭の映像作家ジェームス・ボルトによるスタイリッシュな映像は、2 つの身体が織りなす、叶わぬ愛と官能にクレッシェンドをかけ、観客はめくるめく愛の嵐の中へと連れ込まれることでしょう。海を渡る船を想起させる舞台装置や、パリで活躍するデザイナー、イーチン・インによる宙にふわりと舞う衣裳も、パ・ド・ドゥの感動を盛り上げます。
ワーグナーを『トリスタンとイゾルデ』の作曲へと導いたのは、彼自身が経験した愛の苦悩です。富豪ヴェーゼンドンクの庇護を受けながらも、その妻マティルデと情熱的な恋愛関係を持ったワーグナーは、彼女の詩をもとに『ヴェーゼンドンク歌曲』を作曲しました。今回、『トリスタンとイゾルデ』日本上演にあたり、マンチーニはその序章として、『ヴェーゼンドンク歌曲集』のバレエを振付けることを決意。彼が選んだのは、オペラ座の次代を担うダンサーとして誰もが認める若手実力派の3 名。完璧なダンスール・ノーブルの呼び声高いジェルマン・ルーヴェ、テクニックと演技共に定評のあるユーゴ・マルシャン、そしてプルミエール・ダンスーズまで一気に駆け上がった期待の新星オニール八菜という、これ以上望めないほどの顔ぶれ。マンチーニは彼らに、どのような愛の物語を踊らせるのでしょうか。
ダンサー全員によるスペシャル・フィナーレにもご期待ください。
オペラ座の本拠地パリでも観ることができない、豪華キャストによる特別プロジェクト「ル・グラン・ガラ」。一期一会の感動を、東急シアターオーブで体験してください。



「トリスタンとイゾルデ」 全幕日本初演
振付:ジョルジオ・マンチーニ
音楽:リヒャルト・ワーグナー
出演:ドロテ・ジルベール、マチュー・ガニオ


アイルランドの王女イゾルデは敵対するコーンウォールのマルケ王と結婚するため、王の甥トリスタンに伴われて海を渡っている。トリスタンに密かに惹かれるイゾルデとトリスタンは服毒心中を図るが、密かに毒薬からすり替えられたのは、愛の媚薬。2人は瞬く間に激しい愛に陥る。王妃となったイゾルデだが、トリスタンとの密会は続く。侍女の警告も空しくその場に王一行が現れ、トリスタンは王の家臣メロートの剣で瀕死の重傷を負い、自分の城に戻ってイゾルデを待つ。再会も叶わず事切れたトリスタンを見たイゾルデは、全てを知って許しを与えに来た王の目の前で、後を追って息絶える。


この壮大で ドラマティックな物語は、《前奏曲》の出だしの奇妙で不思議な響きの“トリスタン和声”によって暗示されており、終盤の《イゾルデの愛の死》では、この和音が官能的で甘美なうねりを呼び、観客をカタルシスに導く。



「ヴェーゼンドンク歌曲集」 世界初演
振付:ジョルジオ・マンチーニ
音楽:リヒャルト・ワーグナー
出演:ジェルマン・ルーヴェ、ユーゴ・マルシャン、オニール八菜

ワーグナーのパトロンだった富豪ヴェーゼンドンクの妻、マティルデは自らも詩を書く感受性豊かな女性で、ワーグナーの芸術に深い共感を示した。ワーグナーと彼女はいつしか恋に落ち、その関係はあたかも相思相愛のトリスタンとイゾルデ、そしてイゾルデの夫マルケ王の三角関係さながらの複雑な状態に陥っていった。それは両家に不和をもたらし、ワーグナーはこの恋に終止符を打たざるを得なかった。










Copyright INTERSPACE INC. All rights reserved.